合成を実践する前に知っておきたい基本知識

エフェクトの組み合わせや調整といった実践的な合成テクニックを学習する前に知っておくべき、基本的な用語や概念について紹介していきたいと思います。

「合成」とは2つ以上の画像を結合(ブレンド)して、既存の画像から新しい画像を作り出すことをいいます。結合後は上下のトラックに配置したクリップは一つの合成上の前景要素と背景要素となり、一般的に前景には何らかの透明処理が施されています。次回の専用エフェクトを使用する実践的な合成への理解を深めるために、今回はアルファチャンネルやキーイングまた描画モードなどといった、いくつかの重要な用語について学習します。

「アルファチャンネル(アルファ)」とはピクセルがどれほど見えるか、つまりは透明度を定義するものです。透明度(不透明度)は可視性やミキサーといった言葉でも表わされますが、重要なのは名前ではなく、透明度を色とは無関係に調整できるということです。基本エフェクトの「不透明度」プロパティはアルファチャンネル全体の値を調整し、「キーイング(キー)」とは特定の色や明るさに基づいてピクセルを選択的に透明化する処理のことをいいます。

キーイングを理解するにおいて、SF映画などのメイキング映像を観たことある方はイメージしやすいと思いますが、「グリーンスクリーン」が採用された画像は、被写体以外の緑色のピクセルをアルファに変換することができます。またこういった撮影をする際は、何色のスクリーンを使うかだけでなく、色が一定であるか、その色を被写体が使用していないかなど、合成時にどうすれば透明化する色を特定しやすくなるかを計画段階で思案しておくことが重要です。またキーアウト(被写体の一部が透明になること)を防ぐため、柔らかい光源でスクリーンを照らすなどして、スピル(スクリーンの色が被写体に反射すること)を生じさせない工夫をしましょう。

「描画モード」は複数のレイヤーコンテンツをブレンドできる機能で、いずれかの描画モードから一つを選択して前景と背景に特定の関係を持たせることができます。これをマスターするにはそれぞれの概念やアルゴリズムを知ることも大事ですが、実際には使いながら覚えるのが一番です。まずはエフェクトコントロールパネルに移動し、不透明度プロパティにある描画モードのドロップダウンリストを確認してみましょう。いくつかの項目ごとに線で区切られていることからも分かるように、描画モードはブレンド結果の類似性に基づいて6つのカテゴリに分類されています。では、簡単にカテゴリ別の特性を上から順に紹介していきます。

「通常カテゴリ」は色に変動のない基本的な合成で、初期設定の「通常」とノイズを加えたような描画になる「ディゾルブ」が含まれます。「減算カテゴリ」は重ねると色が暗くなる傾向にある合成で、一部の描画モードでは絵具を混ぜ合わせるように混色されます。「加算カテゴリ」は減算の反対で、重ねると色が明るく傾向にあり、投影された光を混ぜ合わせるように混色される合成です。「複雑カテゴリ」では、ソースカラーと基本色のいずれかが50%グレーよりも明るいかどうかによって、異なる処理が実行されます。簡単に言うとコントラストと対比を使い分ける合成です。「差カテゴリ」は上下のレイヤーを比較する合成で、減算とはまた異なる引き算によってソースカラーと基本色の差が描画されます。「HSL」カテゴリは、色の色相・彩度・輝度のうち一つまたは複数の要素が合成されます。

Lumetriカラーを使用したカラーグレーティング

美しく合成するためのキーイングテクニック

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